小規模M&Aとは何か?基本的な解説及び現実と実態について

11月 12, 2024

小規模M&Aとは何か?基本的な解説及び現実と実態についてサムネ画像

昨今、事業承継やM&Aについて見聞きする機会が増えてきました。

その中でも当サイトでは小規模M&Aについて主に取り上げ、現実や実態についても含めて解説します。

まずは基本的な情報から理解を深めましょう。

小規模M&Aとは

事業拡大や事業承継、新たな市場参入などを目的として行う企業買収や合併のことをM&Aと呼び、下記のような目的で行われます。

  • 事業拡大: 新事業、新業態、新顧客層の獲得により本業を促進するため
  • 事業承継: 経営者の引退や辞任に伴い、後継者がいないなどの理由から事業を第三者に売却するため
  • コスト削減: 重複する業務や部門の統合により、運営コストを削減するため
  • 技術やノウハウの取得: 新技術や専門知識を持つ企業ならびに事業を獲得し、自社の競争力を強化するため

このうち取引額や事業規模が小さいものを小規模M&Aと呼びます。

具体的な定義は曖昧ですが、概ね下記の通りと思って差し支えありません。

  • 一般的なM&A:売上や取引額が10億円以上(法人同士の企業買収やTOBなど)
  • 小規模M&A:売上や取引額が数万円~10億円(個人間や個人と法人同士などの売買)

一般的にM&Aと聞くと法人同士が会社を買売するような、何億円もする大きなお金の話だと思われがちです。しかし実際はもっと小規模なM&Aも盛んに行われています。

後述しますが、例えば300万円くらいの取引額でサラリーマンが法人を買うという事例も小規模M&Aです。

また小規模M&Aも「スモールM&A」と「マイクロM&A」に細分化されます。

スモールM&AとマイクロM&Aの違い

スモールM&AとマイクロM&Aは、その取引規模や取引の目的によって区別されます。

  • スモールM&A: 取引額が数千万円から数十億円規模のM&A。中小企業同士の合併や買収が主な対象で、事業拡大や新市場参入などの目的で行われる
  • マイクロM&A: 取引額が数万円から数千万円規模のM&A。個人事業主や小規模事業者あるいは事業そのものが対象で、事業承継や小規模事業の拡大を目的として行われます。

定義はM&Aの事業者ごとに少々異なるので、大体の数字の把握でOKです。要は数千万円~億単位がスモールM&A、数万~数千万円がマイクロM&Aだと思っていただいて差し支えありません。

 

小規模M&Aの利点とリスク

小規模M&Aでは下記の利点があります。

  • 迅速な市場参入: 新市場や顧客層への迅速なアクセス
  • リスク分散: 複数の事業を展開することで事業リスクを分散
  • 成長促進: 他社の技術やノウハウを取り入れることで自社の成長を加速

一方で、下記のようなリスクもあります。

  • 統合の難度: 組織文化の違いなどから統合が難航あるいは事業が悪化する可能性
  • 資金負担: 買収資金の調達が困難になったり資金繰りが悪化したりする可能性
  • リスクの増加: 負債のほか取引先の引き継ぎなどリスクが増加する可能性

単なる事業譲渡なら負債や人的なリスクはありませんが、中小企業同士の合併や事業承継では起こり得る事態になります。

小規模M&Aの注意点

小規模M&Aを成功させるためには、以下の点に注意することが重要です。

  • 正確な企業価値の評価: 買収対象の過大評価や過小評価は後々のトラブルの元となります
  • デューデリジェンスの実施: 買収対象企業の財務状況、法的リスク、経営状況、許認可の移転などを正確に調査、分析しなければいけません
  • 事業計画の策定: 買収後にビジネスをどうしていくか事前にある程度の計画を立てること
  • コミュニケーションの重要性: 経営陣や従業員とのコミュニケーションを密に行い、統合に向けた協力体制を築くこと

企業の統合は言うなれば結婚のようなもの。暮らし方や価値観が違う相手と結婚したら、これからどう生活していくか摺り合わせが必要になります。それと同じで、事業を売買する前後でビジネスをどうしていくかを綿密に議論する必要があります。

小規模M&Aの現実と実態

現状、小規模M&Aはさらに活発化することが予想されています。

高齢化が進む日本においては事業承継問題が顕著になっているほか、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展によりIT関連の小規模M&Aも増加が期待されます。

一方で、制度を悪用した事業の乗っ取り、資金や情報を抜き取りたいがためのスキームの構築など、悪質な実態も浮き彫りになりつつあります。

後継者のいない企業に買収を持ちかけて、現金や株式などの資産を譲渡させたうえで、事業を放置したり借金をそのまま負わせたりして、資産を失った売り手側の企業が廃業に追い込まれるケースも起きています。

引用元:後継者いない中小企業への“悪質M&A”相次ぐ 買収持ちかけ 資産譲渡させて放置 中小企業庁が注意呼びかけ | NHK

まだこうして表沙汰になるだけマシなほうで、実際にM&Aの交渉を行っていくと悪質な相手に出くわすことがよくあります。

まとめ:小規模M&A活発も現実と実態の情報不足に懸念

小規模M&Aは個人事業主や中小企業にとって重要な経営戦略の1つであり、適切な計画と準備を行うことで事業の成長や持続可能性の向上に寄与することができます。

また今後は小規模M&Aが活発になることが予想されますが、一方で現実と実態の情報不足にも注意が必要です。

残念ながら、粗悪な交渉相手のほか、それを仲介するM&A事業者などの仲介人にも悪質なものが存在しています。

当サイトでは管理人の経験や事例を踏まえながら、より良いM&Aの実現のための情報発信をして参ります。

M&Aの基本

Posted by マンダマン